「今宵」
「……」
「気づいんだろ、自分の気持ち」
「……」
見上げてくる千と視線が絡む。
「お願い、今宵。答え聞かせて」
その瞳は、少し潤んでいるようで。
千と同じ高さで目を見れるように、わたしもしゃがみこんで、それから口を開いた。
「ごめんなさい」
「うん」
「千とは友達のままでいたい」
「うん」
その瞳に、涙が溜まったのが見えた。
だけど、わたしとの視線を晒さない彼は本当に強い人。
そんな千が、わたしは好き。
同じ好きは返せないけれど、好きだよ。
「千」
「何?」
「ありがとう」
「どういたしまして」
にっこり、笑った千の目頭からキラキラとした綺麗な涙がこぼれた。
ありがとう、そしてごめんなさい。
ニコニコと笑う千と、しばらく笑いあって、千が腰を上げた。
「おーっしゃ、そんじゃ俺は行くわ」
「そっかー」
「おう、じゃあな。ありがとう」
「うん」
頷けば、くしゃりと千に頭を撫でられた。
「頑張れよ」
「うん」
何を、とは聞かなかった。
だってもう答えは出ていたから。


