あと一欠片のピース




体育館を出て、歩きつつ紙の束が入っているカバーを開ける。



「……なんだ、最初からじゃん」



取り出した紙は、先輩のポケットに入っていてもこんなにくしゃくしゃにならないだろうと言うほどにくしゃくしゃになっていた跡があった。


それをピンと伸ばして大切に畳んでいたのだろう、入っていた紙は綺麗に保存されていた。


そしてその紙の内容は、当然彼女からのメッセージ。



『今宵へ。真尋は彼のことが憧れですごく好きで、だからごめん彼と仲良しの今宵が羨ましくて恨めしくて、でも今宵のことも好きなんだ、大好きなの、好きなんだけど、違うこんなこと書きたいわけじゃない違うちがうちがう』



その紙には、違う、が連続して何度か書かれた後、鉛筆で黒い円がぐるぐると渦巻いていた。


1枚目のそれと似たような内容のもの、黒い円が渦巻いていること、ぐしゃぐしゃになった跡がついている紙が何枚も重なっていた。


それが束になっていたのだ。


真尋が苦しんでいたことが、よくわかって、それに気がつかなくて自分のことばかり考えていたあの時の自分に情けなく感じた。



「……あれ」



一番最後の紙に辿り着いたわたしはそれだけ、内容が違っていることに気がついた。