みんな屋上が好きなんだなぁ、とぼんやり馬鹿なことを考えながらわたしは今日の分のパズルを鞄にしまった。
「じゃあ茜、行ってくる」
「え、うちここまで?」
「うん。ここからは1人で行く。茜はゆっくりしてて」
「んーじゃあ校内散策しよっかな。先輩との話終わったら連絡して」
「おっけ、ありがと」
茜と別れて、第2体育館へ向かう。
体育館にいるということは、高跳びの練習でもしているのだろうか。
ちょっと、うん、ちょっとだけだと思いたいけれど、足が鉛のように重く感じる気がする。
何を言われるのだろう。
真尋を返せ、とか?
……返したくても返せないけれど。
とにかく、行くしかない。
真尋のことを思い出したのだ。
逃げるには限度があるし、どうせ逃げられない。
だったら自分から今すぐ行くべきだ。
パンと頬を叩いて、体育館までの道のりを進む。
体育館の扉は、開いていた。
そして、いかにも先輩が練習をしているかのような音が体育館中に響いていた。
一歩足を踏み入れると、鳥のように華麗に跳ぶ先輩がいた。
これだ、確かこれが好きで何度も陸部の練習に見学にいったんだ。


