あと一欠片のピース




いちいちショックを受けているようじゃ、話が前に進まない。



「今宵を妹みたいに扱ってるだけだから今宵に危害はないかな、と思って気にはしてたけど監視しなきゃとかそういうレベルでの心配はしてなかったんだ。だからね、先輩と今宵は普通に先輩後輩としての仲でこの1年を過ごしてきたんだよ」


「はー、そっかあー、そういうことなのか……」



やっと納得した。


おかしいと思っていたんだ。


人気者でモテモテで我が校陸部のホープである青木先輩と特に何もないわたしが、知り合いで普通に話をできるのは、なぜなのだろうと。


茜の話を聞いてやっと納得した。



先輩はわたしの『親友』である真尋のお兄さんで、そして先輩にとってわたしは『大切な妹』の代わりなのであって。


先輩との出会いを思い出せなかったのは、だからなのか。


だから、先輩はわたしのことを毎回心配してくれたのか。


だから、先輩はいつか千と言い争いのような遊びをしている時にわたしを連れ出しくれたのか。


だから、先輩は『大切な妹』と見立てたわたしを誰にも取られたくなくて、失いたくなかったのか。



「今宵、大丈夫? えと、そのーなんだ、」


「大丈夫。行ってくる」


「びょーいん行く……っえ?」