「怖かったでしょ、屋上での青木先輩」
「……うん、本気で殺されると思った」
ずず、と鼻をすするわたしを見て茜はわたしを不憫だと思っているのだろうか、労わるようにわたしの肩を揉んだ。
「真尋のこと思い出したから、尚更、先輩と会うの怖い」
「あー、なるほどね。そっか、思い出したか」
「うん、全部思い出した。…えっと、その……真尋がいなくなってからの先輩って、どうだった?」
ここで先輩の状況やら何やらを聞いておいて、先輩との話に備えられたらいいんだけど。
探りを入れるわたしを一瞥して、茜はふうー、と長く息を吐いてから喋り出す。
「先輩はね、んーと、真尋がいなくなってずっと、…うん、壊れてたように見えた、かな。今宵を怖い顔で攻め立てるからさ、1ヶ月くらいかな、今宵と先輩が会わないようにしてたんだ」
「そう、なんだ」
「そう。で、事件から1ヶ月経った時、先輩が今宵に絡み出して、最初はやばいって思ってたんだけど、なんか先輩は今宵のこと真尋の代わりにしてるのかな、って感じで」
「代わり……」
「あ、ごめん、うち語彙力ないから酷いように言っちゃってるかもしんない」
「ううん、大丈夫。で、続きは?」
茜はわたしを気遣いながら話してくれている。


