わからなくていい。
興味もないから。
鼻で笑うように言い放ったあたしに、誰かのひゅっと息を呑む音が聞こえてきた。
……やっぱり、こうなるよね。
そう思ったのに、幹部メンバーが動揺したように瞳を揺らす中、雅だけは表情を動かさずにあたしを見据えていた。
さすが総長、隙がない。
「一応、銀行の口座にひとり生活出来る分くらいのお金は振り込んでくれてるから問題ないけどね」
本当に少しだけ。
父親としての贖罪のつもりなのかどうかは知らない。
でも、もしそんなもので許されると思っているなら言葉は悪いけれどくそくらえだ。
それももう数ヶ月前から途絶えているし、今はあの父親が生きているのかもわからない。
貯金ももう底を付きかけているけれど、まあ……あと1ヶ月くらいどうにかなるだろう。
水ならどこにでもあるし。
「……サリちゃん……」
「なに?同情?」
「ちげえよ!アホか!」
同情じゃなかったらなんなの?
今の話を聞いて、皆してそんな顔をして、まるで捨てられた子猫を見るみたいな目で、じゃあ何かあたしにしてくれるの?
してくれるわけがない。
どうせ赤の他人なのだから。



