「ねー、サリちゃん!」
「なに?」
「そーいや俺、ちゃんと自己紹介してなかったなーって思ってさ!羽間唯織、見ての通りチャーミングな男の子でッス!」
「チャーミング……?」
その言葉に首をひねる。
まあ確かに、チャーミングというのは分かるかもしれない。
例えるなら、無邪気な男子小学生イメージだ。
「あ、今サリちゃんなんか酷いこと思ったべ!?」
「いや、何も。……それより」
「ん?なに?」
いきなり胡蝶蘭について聞き出すのは総長を前に出来るわけがないし、順序を踏んでまずはこの学校の事からだろう。
あたしは、一番ノリが軽く関わりやすいと判断した羽間唯織の服を掴んで、教室の外へ引っ張って行く。



