嘘つき天使へ、愛をこめて



基本的に喧嘩とか嫌いなんだから。


嫌でも強くならないといけなかったから、大翔に教わってあらゆる武闘は身につけているけれど。


……実際、族所属の男相手にどれほど通用するのかも分からない。


未だに大翔には勝てないし、あたし自身、相手が出来たとしても恐らく10人が限界だ。


「まあ、いい。……このクラスは総長もいるからな。忠告までに、だよ」


……あ、いるんだ、総長。


ツキオカミヤビ――通称、悪魔。

この異質な族をまとめる統率力と戦闘力。


その両方を持ち合わせたその人物がどれだけ怖い人なのか、純粋に興味がある。


もしかしたら昨日のあの裏路地のヤツらからもう情報がいってしまっているかもしれないけど、まあいっか。


――ガラッ!


勢いよく先生が扉を開けた途端、耳を塞ぎたくなるほど騒がしかった教室が、ピタリと静まった。