「い、いや待てサリ!よーく考えろ?いいか?お前、ほんとに雅でいいのか?」

「なんで大翔が焦ってんの」

「俺でいいのかってなんですか、それ」


あたしと雅の冷たい視線が飛ぶ。

うっと言葉を詰まらせた大翔は、頭を抱えて悶えた。


「お、俺は!正式にサリを養子として迎えることにしたんだよ!」

「は?」


なにそれ、初耳なんですけど。

あたしだけではなく、その場の全員があんぐりと口を開けて大翔を見ていた。


「え、ちょっ、待っ……それつまり、大翔があたしの父親になるってこと……?」

「えっ?いやまぁ、そういうこと、だな」

「なんで?その場の思いつき?」


そんな重大な事を1人で決められても困る。

というか、あたしの意見はないの?


大翔は「あーもう」とガシガシと頭を搔くと、深く息を吐いて、真剣な様子であたしに向き合った。