「色々と買ってきた」
「そんなあたし食べられないよ」
「いいじゃん、目で見るだけでも」
プリンにヨーグルト、お茶、水、オレンジジュース。お菓子各種。
溢れんばかりに詰め込まれたそれを見て、あたしはくすくすと笑う。
「お水だけちょうだい」
相変わらず水好きだな、と雅は笑い返してくれた。
ほんの少しその笑顔が不自然で、無理に笑ってくれているのがわかる。
そりゃ、そうだ。
手術が終われば、あたしは雅のことを忘れているかもしれない。
それどころか、成功すらせずにママのところへ行ってしまうかもしれない。
不思議とあたしは落ち着いているけれど、雅からしたら手術日を待つこの間も辛いはずだ。
「ねえ、雅」
「ん?」
お茶を飲む雅に声をかける。
「あたしのこと好き?」
「ぶっ……」
案の定噴き出した雅は、口元を拭きながら動揺したように目を泳がせた。