手術は緊急で三日後に決まった。

あたしの場合はもう腫瘍がだいぶ大きくなっていて、成功するかどうかは分からないらしい。


記憶障害や後遺症が出る可能性は高いが、全く起こらない可能性もゼロじゃないと言われた。


でも、正直、もう怖くはない。

なんでだろう。

前よりも、少し希望を持てたからかな。

もう自由に身体を動かすのはキツいけれど、なんとなく気分はいい。


リクライニングベッドの背を少し起こして、あたしはぼーっと外の景色を眺めていた。

そこへ、売店へ行っていた雅が戻ってくる。


「起きて平気なの?」

「うん、平気」


心配そうに雅は眉を寄せながらも、ベッド脇に置いてあるパイプ椅子に腰を下ろすと、買ってきた袋を広げて見せた。