「はは……ふざけてる」
弱りきった身体で顔をあげると、男達はひいっと後ずさった。
もう戦う気力はないらしい。
あたしも、もう動けるような力はない。
「……ねえ、なんでだと思う?なんであたし、死ななくちゃいけないんだと思う?」
「は、はあ?」
「分かんないよ。全然分かんない。だって、まだ十七年しか生きてないんだよ。あたしの命ってなんなの?なんのために生まれてきたの?ねえ、なんで」
なんで、なんで、なんでなんでなんで。
どうして、こんな直前になって、生きたいと思ってしまったのだろう。
どうして、こんな状況で今君は何をしているかな、なんて考えてしまうのだろう。
どうして、みんなの顔ばかりこんなに浮かんでくるんだろう。
「なんで、あたしだったのかなぁ……」
「だからなんだってんだよ……っ!」
「っ……うるさい!」
あたしの荒いだ声が、倉庫の隅々までこだましながら響き渡っていく。
「あたし死にたくないの!本当はまだ生きていたいの!あんたに何がわかるの!?だってもうあたしより長く生きてるんでしょ!?わかんないよ!なんで、なんであたしが死ななきゃいけないのよ……っ!」
感情が爆発したのか、思考回路が途切れてしまったのかは分からない。
気づけば頭の痛みも忘れて、叫んでいた。
ずっとずっと、胸のうちに溜めていたものを。
ずっとずっと、隠してきたことを。



