「……え、栄養剤は飲んでるし」
「それにしたって少なすぎる!俺、そんなの無理!1日だって足りない!」
「い、唯織と一緒にしないで!あたしの主食は水なの!水!透き通る天然水!」
ヤケになって言い返すと、柊真が長い溜息をついて頭を抱えた。
そんな、こんなことだろうと思った、みたいな顔であたしを見つめるのはやめて欲しい。
「あのな、サリちゃん。高校生ってのは、一番栄養をとらないといけない時期だ。いわゆる成長期ってやつのど真ん中だからな、身体の機能が大人へと成熟するために必要な栄養分ってのが……」
柊真のお説教がはじまってしまった。
そんな事言ったって、あたしの成長なんてとうの昔に止まってるし。
ついでに言えば、栄養をとろうがとらまいが近いうちにあたしはここを去るし、この世からもおさらばしないといけないわけで、今更そんな説教をされても困る。
食欲もないし、ね。



