きたない心をキミにあげる。



「うわぁ、ご、ごめん!」



やべ。しめやかな雰囲気であるはずの墓地で。


完全にそぐわないことを俺らはしていた。しかも堂々と。



眠っている魂たちに心の中で土下座して謝っておいた。



「あはは。だっさ。ウケるー」



愛美は恥ずかしがる俺をすかさずからかってきた。


くそ。どうせ俺はだっさいヤツだよ。



胸に手を置き、いったん気持ちを落ち着かせてから。


俺はポケットに手を入れた。



「愛美」


「ん?」


「これ、返しに来た」



日の光を浴び、キラリと金色といろとりどりの光が輝く。


弘樹の形見である、ブレスレット。



「あ……うん。ありがと……」



もごもごと言葉を詰まらせ、彼女はそれを受け取った。


どこか不満げな表情を浮かべている。



弘樹との思い出を返すよ。だけど――



彼女が右腕にブレスレットをつけている間に、俺は再びポケットの中を探った。



「右にはそれつけてていいから、左にはこれ、つけてくれる?」



小さな箱を開ける。


もう1つの小さな金色が、光を反射した。