きたない心をキミにあげる。のレビュー一覧
5.0
会いたい。触れたい。でも、苦しい。
一体どれだけの苦しみを抱えて生きていたのだろう。計り知れないほどの苦しみをひた隠して生きてきた彼の最期が、圭太を救った。
こんなにも包み隠さず、人のきたない部分を描きとった作品を私は初めて読みました。世の中は綺麗事ばかりだけれど、誰だって"きたない心"を持ってる。弘樹も、愛美も、圭太も、父親も母親も、世間も、私だって。
でも、それがニンゲンってモノじゃないか。常識とかモラルとか全部ひっくり返して、私たちは胸にいろんなモノを抱えて生きてるけど、それは決してダメなことじゃない。だって、きたない部分も含めて、私たちだから。でもそれを、愛美と圭太みたいに寄せ合えたらいいね。重ね合えたらいいね。
愛美と圭太が、たとえ凸凹でも笑っていられる未来を歩んでいく事を願って。
素晴らしい傑作です。是非ご一読を。
ある少年の死をきっかけに、物語は動きだす。 圭太と愛美。そして弘樹。3人はいびつに生きていた。きたない世界に無防備にさらされながら、きたない心を隠して、それでも精いっぱいなにかを想って。 壮大なラブストーリーを読んでいるような、それでいて救いのないサスペンスを読んでいるような、不思議な気持ちでした。誰も悪くない。なのに、みんながボロボロに傷つかなくちゃいけない。胸が痛くて何度も涙がこぼれました。 きたない心、みんな持っていると思う。わたしも持ってる。わたしの好きな人たちだって、きっと持ってる。そういうきたないものをまるごと与えあって、それでも、寄り添いあえたらいいよね。愛しあえたらいいよね。 『きたない心』をあげた先で、ふたりが出会った『きれいな心』を、どうか見届けてほしい。とても痛い、素敵なお話です。
ある少年の死をきっかけに、物語は動きだす。
圭太と愛美。そして弘樹。3人はいびつに生きていた。きたない世界に無防備にさらされながら、きたない心を隠して、それでも精いっぱいなにかを想って。
壮大なラブストーリーを読んでいるような、それでいて救いのないサスペンスを読んでいるような、不思議な気持ちでした。誰も悪くない。なのに、みんながボロボロに傷つかなくちゃいけない。胸が痛くて何度も涙がこぼれました。
きたない心、みんな持っていると思う。わたしも持ってる。わたしの好きな人たちだって、きっと持ってる。そういうきたないものをまるごと与えあって、それでも、寄り添いあえたらいいよね。愛しあえたらいいよね。
『きたない心』をあげた先で、ふたりが出会った『きれいな心』を、どうか見届けてほしい。とても痛い、素敵なお話です。