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目立つことが苦手。だけど、教室の端っこにいても毎日ちゃんと楽しいし、ささいなことで友達と笑いあっている。
そんなくるみが、ひょんなことから、クラスイチ目立つ男子の蓮と同居をすることになってしまった。
別の世界にいるように見えて、ずっと、同じ場所にいる。
同じ場所にいるけれど、別のものが見えている。
そんなふたりが、お互いのことをじっと見て、痛みに気づいて、悩みをわかって、手を取りあうまでの過程が、とても可愛らしく、そして、優しかったです。
「高折くん。星が見えるよ」
いつかくるみがひとりぼっちで呟いたその言葉を、これからは何度だって、隣にいる彼に伝えていくのだろう。
なんだか、どこか、ほんのりさみしい。でも、読後は心がぽかぽかします。
いつか、くるみの描いた絵本を読んでみたいです。
どうにも拭えない汚れのような過去がある。 だから、逃げてきた。心の底から死を願った夜があった。 でも、どうしようもなく生きたくて、救われたくて、前を向きたくて、 ――そうして、“きみ”と、出会った。 これは、そんな凛花と藤堂の物語。 だけど、登場人物の誰ひとりとして取りこぼさず、やさしく拾いあげられていく様が、本当に見事でした。 『本当は誰かに見つけて欲しかった』 きっと、そう思っていたのは凛花だけじゃない。 藤堂も、智也も、有愛希も、柚寧も、大河も、累も、そして栄介も、みんな、みんな。 この世界は、ひとりぼっちどうしの寄せ集めで出来ている。 でも、だからこそ、ひとりぼっちとひとりぼっちが出会い、世界は丸い形に変わっていくのだと、信じたくなるお話です。 素晴らしいものを読ませていただき、本当にありがとうございました。
どうにも拭えない汚れのような過去がある。
だから、逃げてきた。心の底から死を願った夜があった。
でも、どうしようもなく生きたくて、救われたくて、前を向きたくて、
――そうして、“きみ”と、出会った。
これは、そんな凛花と藤堂の物語。
だけど、登場人物の誰ひとりとして取りこぼさず、やさしく拾いあげられていく様が、本当に見事でした。
『本当は誰かに見つけて欲しかった』
きっと、そう思っていたのは凛花だけじゃない。
藤堂も、智也も、有愛希も、柚寧も、大河も、累も、そして栄介も、みんな、みんな。
この世界は、ひとりぼっちどうしの寄せ集めで出来ている。
でも、だからこそ、ひとりぼっちとひとりぼっちが出会い、世界は丸い形に変わっていくのだと、信じたくなるお話です。
素晴らしいものを読ませていただき、本当にありがとうございました。
自分にぜんぜん自信がない。
その理由を口にすることさえできないけれど、どうにも抗えないほどに、きみを好きになってしまった。
“つきあっていること、絶対に誰にも言わない”という条件付き。
それは、彼が今をときめく高校生モデルだから。
それは、自分がきっと一過性の都合のいい女だから。
素直になりたいのに、なれない。だって、傷つきたくないし、傷つけたくない。すごく大事だから、言えない。
そんなふうにすれ違ってしまうふたりが切なくて、もどかしくて、足をバタつかせたり、頭を抱えたり、涙が滲んだりしました。
「俺はお前の居場所になりたいし、乙葉が俺の居場所だと思ってるよ」
意地っ張りな絢斗が、臆病な乙葉が、それぞれ頑張った先で伸ばした手を、掴むことができてよかった。
怖い場所を飛び出した雨空の下で、ふたりはひとつの傘を差しながら、これからもずっとお互いの甘い毒に酔いしれるのだと思います。
あの人は輝いている。世界を照らす金色のように。簡単に手を伸ばせないほど、遠い場所で。 だから、ずっと、きみのようになりたかった。 まったく違うようでとても似ている、ふたつの淡い憧れがじわりじわりと近づいては、少し離れて。また、もう少し、近づいて。 いつしかお互いのためになにかしたいと願うようになっていく、ふたりのその姿こそが、なによりもまばゆい青春そのものでした。 『私が、光を当てて、あたためたい』 凍えそうになっていた朝陽の心の大切な場所を、見つけてあたためてくれたのが、とても柔くて、とても強い、光莉で本当によかった。 たくさんの『好き』の気持ちがぎゅうぎゅうに詰まった、甘くてすっぱい、苦しくて愛しい、キュンなお話です。
あの人は輝いている。世界を照らす金色のように。簡単に手を伸ばせないほど、遠い場所で。
だから、ずっと、きみのようになりたかった。
まったく違うようでとても似ている、ふたつの淡い憧れがじわりじわりと近づいては、少し離れて。また、もう少し、近づいて。
いつしかお互いのためになにかしたいと願うようになっていく、ふたりのその姿こそが、なによりもまばゆい青春そのものでした。
『私が、光を当てて、あたためたい』
凍えそうになっていた朝陽の心の大切な場所を、見つけてあたためてくれたのが、とても柔くて、とても強い、光莉で本当によかった。
たくさんの『好き』の気持ちがぎゅうぎゅうに詰まった、甘くてすっぱい、苦しくて愛しい、キュンなお話です。
「こっちはわかりたいと思ってんだよ」 そのまっすぐな言葉が、完結していたふたりの世界を揺らしたのを感じたとき、ひとつの想いが閉じ、もうひとつの想いが走り出したのだと、たしかに思った。 男子ふたりと、女子ひとり。 いびつな三角形を作りながら、小さな嘘をくり返し、自分を守って、相手を守って、誰かを守って、過去を、そして未来を守っている。 それはどうにももどかしく、切なく、悲しいかたちをしていた。 そして同時に、なによりも愛しい三角のかたちをしていた。 だからこそ、彼にとっても、彼女にとっても――そして、彼にとっても。 たしかに抱いた美しい毒のような気持ちが、愛する誰かのためだけでなく、自分のためにも、どうか幸福に作用してくれれば、と願ってしまう。 決して一筋縄ではいかない三角関係。 3人の描いたそのトライアングルを、わたしはどうしても、とてもかわいい、と思ってしまいます。
「こっちはわかりたいと思ってんだよ」
そのまっすぐな言葉が、完結していたふたりの世界を揺らしたのを感じたとき、ひとつの想いが閉じ、もうひとつの想いが走り出したのだと、たしかに思った。
男子ふたりと、女子ひとり。
いびつな三角形を作りながら、小さな嘘をくり返し、自分を守って、相手を守って、誰かを守って、過去を、そして未来を守っている。
それはどうにももどかしく、切なく、悲しいかたちをしていた。
そして同時に、なによりも愛しい三角のかたちをしていた。
だからこそ、彼にとっても、彼女にとっても――そして、彼にとっても。
たしかに抱いた美しい毒のような気持ちが、愛する誰かのためだけでなく、自分のためにも、どうか幸福に作用してくれれば、と願ってしまう。
決して一筋縄ではいかない三角関係。
3人の描いたそのトライアングルを、わたしはどうしても、とてもかわいい、と思ってしまいます。
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