「や、その、雰囲気、変わったなぁって」
「好みじゃなくなった?」
「違うって! えっと、なんていうか、大人っぽくなったっていうか……」
せっかく一大決心をしてきたのに、やっぱりダサい俺。
1人でテンパってしまう。
すると、愛美ははぁ~とため息を吐いた後、
「こういう時は普通、可愛くなった、とかきれいになった、とか言うもんじゃない?」と俺をバカにしてくる。
ぐぐぐ、と言葉につまった。
普通にそう言えるキャラだったら、俺たぶんもっとモテてるわ!
と調子に乗ったツッコミを心の中だけでしておいた。
いや、すみません。めっちゃくちゃ可愛くなったと思います。
まあもとから可愛かったけど。
くそぅ、何か悔しい!
「愛美こそ、漢字とかちゃんと覚えなよ」
そう言い返してみたが、
「いーから。お参りしよっ」と上目で見つめられてしまう。
久々に見れた笑顔にドキッと胸がときめき、
これ以上、何も言うことはできなかった。情けない……。

