少ししおれた黄色の間に、私が持ってきた赤や白やピンク色を混ぜる。
『死ぬときまで一緒にいようってこと』
あの時一緒に撮った写真、ダサかったなぁ。
むくれた表情のあいつと、驚いた顔の私。
もっといい顔で写りたかったのに。
「お兄ちゃん」
なんとなく、声を出して呼びかけてみた。
ここには骨になったお兄ちゃんが埋められているだけ。
だけど、すっと心が軽くなったような気がした。
お兄ちゃんの火葬の時、焼かれて残った骨をはしでつまんで骨壺に入れた。
台車に乗った骨を見た時、正直グロいと思った。吐きそうになるほど。
あの時に大好きだったお兄ちゃんは本当にいなくなったんだ、と実感した。
ただ、私の中には思い出になったお兄ちゃんがいる。
「ばーか。いいお兄ちゃんでいなくてよかったのに」
心の中をほとんど見せてはくれなかった。
たぶん私も見ようとすることができなかった。
「……まあ、もっとバカなやついるけどね」
あいつは私に全部打ち明けてくれた。
今でも苦しんでいるのかな。だからここに来たのかな。
ぱんぱんと2回手を叩き、なーむーと唱えてから。
「また来るね。大好きだったお兄ちゃん」
そう話しかけて、私はスカートの裾をほろいながら立ち上がった。