傾斜の高いアスファルトを再び進み、霊園に到着した。
思っていたような場所と違い、俺は驚いていた。
芝生の緑が広がる奥に並んでいるのは、背の低い無数の墓石。
ほとんどが灰色。薄めのものから濃いものまで。
中には、てかてかの黒色や、ほんのり赤みを帯びているのもある。
人が生きて、死んでいったたくさんの証が、同じくらいの大きさで、芝生の上に等間隔に並んでいた。
この中のどれかが、弘樹のお墓なんだ。
人はぽつりぽつりとしかいない。
時々、すれ違う人や管理人さんらしき男性に会釈をしながら進んだ。
墓と墓が向き合い、その後ろでも同じように向き合っている。
芝生に入り、整列した墓石の間を進むと、
卒業式の最後、下級生たちの拍手とアーチで送り出された時のことを思い出した。
スマホを見ると、母から連絡があった。
『愛美ちゃんの家族から連絡あったけど、上手く言い訳しといてあげたから』
ほっとしていると、圭太ーこっちー、と先に進んでいる愛美に呼ばれた。

