きたない心をキミにあげる。



「いて……っ」



治りかけの右足が、熱を吹き出したかのように痛む。



激痛に襲われ右手でアスファルトをひっかくことしかできない。



左足を動かし、膝を立てることまではできたが、重い痛みを伴う右足は言うことをきいてくれなかった。



「はぁ、はぁ」



心と体の痛みにより、嫌な汗が全身にじわりとにじんだ。


変に転んだせいで、右足をひねった可能性がある。



立ち上がろうとしても、痛覚が全身へとめぐり体が動かない。



「くそ……」



せっかく弘樹が助けてくれた命なのに。


どうして俺は、何もできないんだ!?


いや、悔やんでるヒマがあったら、前に進まなければいけない。



だけど体が動かない。


情けない。バカだ。弱すぎる。



俺じゃなくて、やっぱり弘樹が生き残るべきだった。



こんな汚い心を持つ自分。


本当にいなくなってしまえばよかったんだ。