きたない心をキミにあげる。




午前中から始めたのに、国語の範囲を終えたのは午後2時だった。


いったん、遅めの昼ご飯を食べに外に出た。



ひょこひょこと不規則なリズムで、愛美と一緒に駅前通りを歩く。


彼女は疲れた表情を浮かべていた。



「ちょっとは分かった?」


と聞いてみると、


「んー。お兄ちゃんの方が教え方上手かったなぁ」


とため息を吐かれてしまった。



「まああいつ、頭良かったからね」



そう口にしつつも、複雑な気持ちになる。



弘樹が生きていた頃は、愛美は彼と恋人的な関係だったのだ。



俺から教えられる時よりも、

愛美は弘樹の話を集中して聞いていたのだろうか。



俺だと力不足なのだろうか。