嫌がるってそんな……。

こんなシチュエーションで渡されたのが初めてで少し戸惑いはあるけど、でも私のためにってわざわざ買ってくれたプレゼントに、喜ばないわけがない。

「ううん、そんなことない。嬉しいよ、ありがとう」

何故か分からないけど、涙が溢れてしまう。
でもその涙を流さないように、なんとか堪えた。

「つけてあげる。そのままじっとしてて」

ネックレスを箱から取り出すと、岡田さんは私の方へ身を乗り出して首に腕を回した。
顔が近くて、吐息がかかる。

ふわっと甘い吐息に頭が真っ白になりかけた。

「……ついた」

「あ、ありがとう……。それより、ひとつ懺悔したいことが」

「なに?」

「私、岡田さんへのプレゼント、買ってませんでした……。今はなにも返せない……」

そう申し訳なく話すと、岡田さんは私を見つめながら笑う。

「あはは、イイよ別に。なら、今ここでちょうだい」

「え?な、なにを?」

「長くて、甘いキス」

そう言って、私の唇に重なる。

息も出来ないくらい、激しくて濃いキスは、白くなりかけた私の頭の中を真っ白にさせるのに、じゅうぶん過ぎるくらいだった。


あ、今の自分、空の色と一緒だ。


……そのとき、ぼんやりとした頭で思ったのは、ちょっとした余談。