……さすが高専卒。
機械を直すところからその世界にハマるとは。

「壊れてたら、とりあえずバラすよね」

「そうだね。ただ捨てるってことはないね。さすが里緒奈、その気持ちも分かってくれて嬉しいよ」

岡田さんは、ふふっと笑って私を見つめる。
その笑顔にドキリとさせられ、心臓がうるさくなった。

いつもだけど、その顔を見せられるたびに反則だって思う。
だって顔をくしゃっとさせて、私をちゃんと見て幸せそうに笑うんだもん。

本当はその顔をずっと見ていたいのに、私はドキドキが止まらなくなって恥ずかしくなって、すぐ目を逸らしてしまうんだ。

「どうした?」

「……なんでもない」

でもそんなこと言えないから、そう言うしか出来ないんだけど。

「……変な里緒奈。あ、そうだ。それよりさ、ちょっと渡したいものあるんだ」

岡田さんはそう言うと、後ろの席に身を乗り出してなにかごそごそと探っている。
そして手に紙袋を持って、身体を前に戻した。

「はい、これクリスマスプレゼント。開けてみて」

岡田さんは手に持っていた紙袋を私に手渡す。
開けてみろと言われ、その通り袋を開けた。

中には長方形の箱がラッピングされていて、それを綺麗に剥がす。
その箱を開くと、そこにはセンターに小さな星が付いたデザインのネックレス。
星の真ん中には宝石がひとつ埋め込まれていて、その宝石が箱をうごかすたびにキラキラと光る。

「って、これエメラルド?……知ってたの?私の誕生日」

「東雲課長に聞いたんだ。本当は指輪が良かったけど、仕事上外さなきゃいけないから外さなくてもいいネックレスにしたんだよ。……まあ里緒奈はこんなベタなシチュエーション、あまり好きじゃないかもしれないけど、付き合って初めてのイベントだし、嫌がらず受け取って欲しいな」