扉が開かれる。

参加者の目が一斉に私と父へと向けられた。


東雲課長、秋元さん。
おばちゃんズに、職場の先輩。

咲良たちを含め学生の頃の友達や、和宏くんの友達や親戚もみんな、私に笑顔を向けている。


バージンロードの先には、和宏くんが笑顔で立っていて。
涙でぼやけているけど、しっかりと和宏くんを見つめてゆっくりと歩いた。


短いようで、長い道。

それはまるで、私たちの過程のように思えた。


「……里緒奈」


和宏くんの近くまで行くと、名前を呼んで私の前に手を差し伸べる。
その手を取り、和宏くんの横へと立った。

目の前に立つ神父は、優しい眼差しで私たちを見つめる。
私はそれに、笑顔で返した。


「和宏さん。あなたは妻、里緒奈を健やかなるときも、病めるときも、変わることなく愛することを誓いますか?」


「――はい、誓います」


「里緒奈さん。あなたは夫、和宏を健やかなるときも、病めるときも、変わることなく愛することを誓いますか?」


「――はい、誓います」


そして、誓いのキスのとき。

ベールをあげる和宏くんだけに聞こえるように、小さな声で囁いた。



その言葉はたしかなもの。

永遠に続く、あなたへの決意。



私はずっと和宏くんを愛し続ける。

その思いは、絶対に変わらないだろう。




たくさんの愛をくれる和宏くんに。

私は、この言葉を捧げる。



――……愛してる、和宏くん。


~END~