まったく、なにからなにまで、岡田さんは自分が想像もしないことをやるんだから。
お陰でこっちはそのたびにドキドキさせらせたりして、落ち着かない。

「……本当に和宏くんはキザなんだから……。普通は恥ずかしくてこんなことしないよ?」

「まあねー。でもどれも里緒奈だから出来ることかな。俺も普通だったらこんなことしないけど、みんなの前でこれだけ見せびらかしたら、もう俺から逃げることは出来ないだろ?」

「……は?和宏くんまさか」

「ハハッ、なにがあっても、もうずっと俺と一緒だよ、里緒奈」


なんて恐ろしい笑顔と言葉なんだ。
前の私だったら、マジで引いてるかもしれない。


……だけど、岡田さんの毒にやられちゃったかなぁ。

なぜだかその言葉が、嬉しくて仕方なかった。


その後、お察しの通り、もうどんちゃん騒ぎで。


「うおおおお!やっぱり寂しいぞ~まかべぇ~!!」

酔っぱらった課長が、そう言って一目も憚らず声を上げて泣いたのはビックリしたけど。


「かちょおおおお!わたしもですううううう!!」


それだけ私は愛されていたんだなぁ、と思い知らされて、私も課長と一緒にを声上げて泣いたのは、後にもいい思い出である。