葛西くんは軽い人だ、きっと。
だってほら、見た目も、制服は全体的にゆるいし、ミルクティーみたいな色の髪を遊ばせてるし。
人のこと、いきなり「ちゃん」付けで呼ぶし。
「でもさ、前髪ちょっと長くない? 」
不意に、葛西くんの手がおでこあたりに伸びてくる。
びっくりして息も動作も止まってしまった。
「上げたらきっと、もっと可愛いと思うんだけど」
顔が少しだけ近づいて、またさっきの甘い香りがしたかと思うと視線がぶつかった。
私は葛西くんの瞳の中にはっきりと捉えられた。
思わず目を閉じた。彼の指先が前髪に触れたのがわかって、ビクッと肩が上がってしまう。
「目、開けてみ……?」
優しくてしびれるような甘い声に、自然と従ってしまう。
「……ん。ほら、やっぱり可愛い」



