「あ、えっと…中瀬あさひちゃん?」
「は、はい」
突然「ちゃん」付けで呼ばれたことに驚きながらも、返事をして1歩前に出る。
「俺、隣の組の葛西。えっと、悪いんだけど……」
「……?」
「ちょっと女の子らの視線痛いから、廊下に出ない?」
そう言われて振り向けば、さっきまで瑞季くんと一緒にお弁当を食べていた女の子たちがみんなこっちを見ていた。
美結ちゃんもいる。
葛西くんて、そんなに有名人なの……?
うながされるまま廊下に出てそっとドアを閉めた直後、
「矢代と仲いいの?」
と、顔をのぞき込まれた。
ふわりとスイーツのような甘い香りがした。



