それなら、はやく離れればいい。

私なんかに構ってないで、とっとと、どっかに行っちゃえばいいのに。



そしたら私も、ひとりになって気持ちの整理ができるのに。

そもそも、学校で話しかけるなって言ったのは瑞季くんなのに……。




「ねぇ、瑞季くん」


うつむいたまま、涙声で名前を呼ぶ。




「この前の木曜日に一緒に帰ったのは……もしかして私の夢だったのかな」


「……は?」


「瑞季くんが私にあんなに優しくしてくれるはずなんて、ないよね。あんなに優しく、私に話してくれるわけ──」


「言っただろ」


「えっ?」



私の言葉を遮った低い声。

瑞季くんは顔を不機嫌そうに歪めていた。



「あれが最後だって」