幼なじみのフキゲンなかくしごと



見てはいけないと思った。

見てしまったら自分が傷ついてしまうって確信があった。



だけど無理なんだ。瑞季くんだから。


瑞季くんのことになると、自分の意志とは関係なく体が動いちゃうから。




───案の定。


立ち位置をずらして一歩踏み込んで

目に飛び込んできた"2人"の姿に

ひゅっと息を呑んだ。




瑞季くんと、その向いに、ひとりの女の子。


瑞季くんが女の子に触れてる。

やさしい手つきで触れてる。


女の子の長くてサラサラの髪が瑞季くんの肩にあたってる。そのくらい近い距離。