保健室に着いて友香ちゃんが事情を話すと、先生は優しく笑って中に入れてくれた。
1番奥にあるベッドに私を座らせて、
「ここなら泣いても大丈夫だよ」
と言って背中をさすってくれる。
その優しい声に涙がボロボロこぼれて止まらなくて。
呆れるほど泣き虫な自分が嫌になる。
好きな人に嫌われるのは辛いって、当たり前のことなのに、冷たい表情で改めてそう言われると、胸がはちきれそう。
下の名前で呼んでくれたからって。
少し優しくされたからって。
それで期待したぶん、なおさら。
しばらくすると、「あたしはそろそろ戻るね」と友香ちゃんが立ち上がった。
「落ち着くまでここにいなよー?」
そんな言葉を残して保健室を出て行く。
おさまってきた涙を拭って、ベッドで一人考え込んでいるうちに、いつの間にか眠ってしまっていた……。



