幼なじみのフキゲンなかくしごと



まるでその音を合図にするかのように、再びドアをスライドする音が聞こえて
クラスメイトがぞろぞろと教室に入ってきた。


時計を見れば、8時20分。

ちょうど、登校ラッシュの時間。



あいさつや笑い声が飛び交って、一気に騒がしくなっていく教室。



その中で私はひとり、唇をキュッと結んで涙が頬を流れてしまわないように我慢していた。




「瑞季の言うことなんて気にしなくていいからね」



そう言って山崎くんが優しく慰めてくれるから




「ありがとう、平気だよ……もう慣れてる」



そうやって笑ってみせたけど、引きつっているのが自分でもわかった。



この前の木曜日の出来事は夢だったんじゃないかと思うくらいの、冷たい態度や口調に正直驚いて、戸惑って……。



ショックだけど……こんなことでいちいち泣いちゃだめだと言い聞かせる。