───ごめんね。


瑞季くんはたぶん、そう言った。




病室を出て扉を閉めてしまったあと

力が抜けて

その場にしゃがみこんだ。



頭が痛い……。



手紙。


瑞季くんの言葉が頭の中をかけめぐる。


ドクドクと心臓が激しく脈を打つ。



思い出した……忘れていた過去。

あのとき、忘れてしまいたくて必死に抑え込んだ、言葉──。