幼なじみのフキゲンなかくしごと

「ばかじゃねーの」



話し終えて、ずっと無言だった遼平と葛西。



先に口を開いたのは葛西だった。

それに続くように、遼平も


「ばかだな」


ってつぶやいた。



笑うでもなく、真面目な顔でそんなことを言われるものだから少し苦しい。



「わかってるよ。すげーださいもん、俺」



笑ったつもりなのに、笑えなかった。



「そうじゃなくて」


前かがみに腕を組んでいた遼平が、背中を椅子の背もたれに戻した。



「俺は企業とかのこと何もわかんねぇけど、中瀬さんのことが好きだったら、お前が幸せにすればいいだろう、普通に」