葛西くんが話している間、白井先生は何も言わなかった。
病院に着いてからも私たちの話題には一切触れず、「さ、行っといで」と背中を押してくれる。
私たちはお礼を言って車を出た。
病室の前に行くまで、3人とも何も話さなかった。
扉の前に立って、ようやく顔を見合わせた。
「入ろうか」
葛西くんが手を伸ばす。
私は一歩、うしろに退いた。
「私はここで待ってるね。瑞季くんが無事なこと確認できれば、それでいいから」
「でも……」
「お願い。瑞季くんに、もう関わるなって言われてるんだ。私がいたら、空気悪くさせちゃう」
「……」
二人は納得がいかない顔をして、それでも私がもう一度「お願い」と言うと、仕方なくうなずいてくれた。



