校門を出てから、友香ちゃんに昨日のことを根掘り葉掘り聞かれたので、私はひとつひとつ、丁寧に話した。
話し終えると友香ちゃんが
「あさひは、矢代くんのことが好きなんだね」
優しい声でそんなことを言うから。
「幼なじみとしてじゃなくて、男の子として、好きなんだね……」
はっとした。
どんな「好き」かなんて、深く考えたことなかったけれど。
確かに、普段接しているひとに対する好きとは違う気がする。
いつも話しているわけでも、顔を合わせるわけでもない。
それどころか、私のことをはっきり嫌いだという人。
それなのに毎日彼のことを思い出して、無理だとわかっていながらも優しさを求めてる。
私はずっと、瑞季くんに恋してたんだ……。
月曜日に瑞季くんが学校に来たら、また話してみたい。
昔みたいな関係に戻れるように───。



