「中央病院の303号室。病状としては……えっと、キュウセイ……イネ、ンマク、ビョウヘン?らしい」
葛西くんの口から出てきた言葉に不安感が一気に膨れ上がる。
「それって大丈夫なの?!」
「一言で言えば、胃潰瘍ってやつかな?人によって症状は異なるらしいけど、矢代の場合はひどい痛みと、潰瘍が血管に及んで引き起こす出血による吐血……」
「どうしてそんなことに……。治るよね?」
私の言葉に、葛西くんは安心して、というように優しいし笑みを浮かべた。
「薬物治療で症状はすぐに引くよ」
ほっとしたのもつかの間。
「だけど、それの原因を取り除かないと本当に治ったとは言えない」
山崎くんの暗く沈んだ声が響いた。



