幼なじみのフキゲンなかくしごと


あまりにも強い力だったせいで思わず声をあげてしまう。

見上げると、そこに立っていたのは、山崎くん。



「山崎くん? 行くって……」

「葛西から連絡来ただろ」

「えっ?」

「俺が頼んだんだ。だからほら、早く」

「…っ」



山崎くんは私の腕を引っ張りながらどんどん歩いていってしまう。


呼び止めて「私は行かない」って言うつもりが、山崎くんの必死な表情を見たら何も言えなくなってしまった。



大事な人を心配する気持ち、痛いほどよく分かるから……。