瑞季くんの笑顔を見ているとやっぱり切なくなってきて、そっと視線を反らす。
考えちゃいけない。
もう、終わり。
瑞季くんが言っていた言葉。
きっと、ほんとにほんとの、最後なんだろうなって、ぼんやり思った。
それから全校生徒が体育館に集まって、終業式が始まる。
校長先生の話から各種の表彰式と、滞りなく進んで、あとは委員会からの連絡を残すのみとなった、その時。
しんとした体育館の中で、急にどよめきが起こった。
体育館の、後ろの方。
私のクラスの列だ。
最初に目に入ったのは、赤。
── 血。
ドクリと、心臓がいやな音を立てた。



