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2学期の終業式が始まろうとしている。
体育館に続く廊下には長蛇の列ができていて、皆が寒そうに白い息を吐いていた。
斜め前に、瑞季くんの背中を見つけた。
隣には山崎くんがいて、その周りにも数人の男子が輪になって話している。
瑞季くんが何かを呟いて、それを聞いた皆が笑い声を上げていた。
いやな笑い方じゃない。
瑞季くんは、人を馬鹿にしたりするようなことは絶対言わない。さりげない言葉で皆を笑わせるのが得意な人だ。
こうして見ると、改めて自分とは程遠いところにいる人だって実感した。
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