「俺は、ずっとお前のこと───」




最後のセリフ。

あらかじめ頭に書いておいた言葉。


だけど、やっぱり……言えなかった。



黙って、そのまま立ち去ろうとした



うつむいていたあさひが、顔を上げる。




「……" 嫌い " なんでしょ? 知ってるよ」



ーーどうして、笑うんだよ。



「ごめんね。今まで、……ありが、とう」



目の奥が熱くなる。

これ以上ここにいたら、俺はーー。



たまらなくなって飛び出した扉の向こうで



" 楽しかったよ "



あさひの

最後の声を聞いた。