だけど。 ── 『あのね、これヒカリちゃんが瑞季くんにって……渡すように頼まれたんだ』 もう遅かった。 ── 『ヒカリちゃんすっごく優しいし、瑞季くんとお似合いだと思う』 あさひはもう、とっくに 俺のことなんて見てなかったんだ ── 『あ、ヒカリちゃんと付き合っても、私とも……幼なじみとして仲良くしてね』 そう言って無邪気に笑うきみのことを ぼくはその時初めて、憎いと思った。