──キーンコーンカーンコーン…。
ベルが鳴って、あっという間に放課後。
「明日あさって休みだからといって、あまりはしゃぎ過ぎないようになあ」
終礼中、担任の桜井(さくらい)先生の話を聞きながら、そういえば今日は金曜かと。ぼんやりとした頭で考えた。
月曜には、瑞季くん来るよね……?
なんとなくモヤモヤする。
根拠のないこの不安は、いったいどこから来るんだろう。
「起立ー。礼」
終礼が終わる。
金曜日だからか、皆の表情はいつもよりも少し浮ついている気がした。
ふと、教室を出て行こうとしている桜井先生が目に留まった。
先生の右手には、出欠簿。
──ガタン。
気づくと、無意識に立ち上がっていて。
「先生…っ」
先生が廊下に出るのと同時に呼び止めた。
見上げると、少し驚いたような先生と視線がぶつかる。