今度は私の方が固まってしまった。

望み薄いとは思い思いながも、昨日は瑞季くんを家に呼ぶつもりで部屋を片付けた。


だけど、いざ、ことが決まると一気に緊張が押し寄せてくる。



何年ぶりだろう。

私の家で、瑞季くんと二人きりだなんて。




瑞季くんの家は私の家より何倍も大きくて綺麗なのに、瑞季くんは自分の家が好きじゃないと言って、私の家によく押しかけてきていた。


でもそれは、小学生の頃までの話。


小学生と言っても、高学年から中学に上がるまでの間の瑞季くんとの記憶は……なぜか、あいまいだ。


6年生の夏休みに、瑞季くんが捨て猫を拾って、それを私の家で飼うことになった。

そのシーンは鮮明に覚えている。


だけど、その時期の私たちがどのくらい一緒にいて、どんな話をしていたのか……もやがかかったみたいに思い出すことができなかった。