約束の金曜日の放課後、瑞季くんは当然のように私の席にやって来た。

にこりと優しい笑顔を浮かべて



「どこに行く?」


なんて聞いてくる。


クラスの女の子の視線は痛いけど、私と瑞季くんが幼なじみなのを知っているせいか、誰も何も言ってこない。


瑞季くんと一緒に過ごせることが嬉しくて、胸の奥がじんわりと温かくなっていく。



「よ、よかったら私の家に来ない……?」

「えっ」

「親、残業で遅くまで帰ってこないから瑞季くんも気を遣わなくていいし……キラにも会わせたいから」

「……」



以前断られたことを、思い切って口に出してみたけれど。

どうしよう、やっぱり嫌かな……?



「ご、ごめんね!嫌ならいいよ、他のところに──」

「いや、行く」

「え」

「あさひの家に行く」