瑞季くんの匂いと体温に包まれる。

後ろにしっかりと腕が回されていて、苦しいくらい。



熱い吐息が首筋にかかった。




「どうしたの……? まだ、熱下がってないの?」



抱きしめられてるせいで、瑞季くんがどんな表情をしているかわからない。


でも、なぜか、悲しそうな顔をしているような、そんな気がした。



「大丈夫……?」

「大丈夫じゃないよ」

「……」

「お前のせいだ」



消え入るような声だった。

また、瑞季くんは私のせいにする。

理由を話してもくれないくせに。

何も言わないで、「嫌いだ」って、突き放して。



「瑞季くんは、ひどいよ」

「うん」

「うん、って……意味わかんないし」

「俺のこと好きにしていいよ」

「えっ?」