ドキドキと緊張感がまざって熱が上がって、頭の中のブレーキみたいなのが緩んでいくのがわかる。
「瑞季くん……」
「うん」
「なんで、いきなりそんなこと言うの……?」
「……何が?」
「どうしてまた、いきなり優しくしてくれるの……?」
「……」
瑞季くんとこうやって一緒に入れること、嬉しい。
だけど、どうしても不安の方が大きくなってしまう。
また、突然「嫌い」って言われたらどうしようって。
距離が縮まってしまったら、そのぶんショックは大きくなるから。
「瑞季く──」
「うるさい……黙れ」
かすれた声。
きつい力で抱きしめられた。