そんなときだった。
「矢代くんー!」
前方から声が飛んできたかと思うと、突然、周りを4人の女の子グループに囲まれた。
「ねぇ、ふたりって幼なじみなの?」
直球でそんなことを聞かれて固まってしまう。
圧力に負けて直視はできないけれど、この顔ぶれは知ってる。
同じクラスじゃないけど、美結ちゃんたちと話しているのを時々見かけるから、幼なじみって伝わったのはたぶんその繋がりだと思うけど……。
広まっちゃうなんて、また、瑞季くんに迷惑かけちゃう……。
青ざめていると、
「そうだよ」
と、私の隣で瑞季くんがあっさりとうなずいた。
びっくりしすぎて「ええっ?!」と声を上げそうになる。
「それが、どうかしたの?」
瑞季くんの爽やかな作り笑顔。
圧力を感じたのか、女の子たちは「ううん。ちょっと聞きたかっただけ!」といって離れていってしまった。



