幼なじみのフキゲンなかくしごと






「葛西と中瀬ー。片付けは任せた。黒板とか椅子とか、まぁ色々よろしく。俺は今から会議だから」



50分間の研究授業が終わって、やっとお昼休みに入ったと思ったら、さっそく白井先生に捕まってしまった。



意外なことに葛西くんは嫌がる素振りも見せずにOKして、「先生お疲れさまでした〜」と労りの言葉までかける。



「あたしも手伝うよ」



持っていた教科書類を机の上に戻して、黒板消しを手に取る友香ちゃん。




「黒板はあたしがやっとくから、ふたりは椅子戻しに行きなよ」


「うん。ありが───」



お礼を言いかけた瞬間、

ふと視線を移した先に、瑞季くんがいて。



「……遼平、先戻っといて」



山崎くんにそう告げたかと思えば、まっすぐこちらに歩み寄ってくる。




「椅子どこ運ぶの? 俺も手伝うから」



信じられない言葉に固まったまま相手を見上げる。


……手伝ってくれるの?


「葛西も、教室戻っていいよ」

「……」