そう言うと、私の返事も待たずにドアを開けて中に足を踏み入れた。
「遅れてすみません。言われたもの持ってきました」
皆の視線が集まる。
こんな状況では、もう話の続きをすることはできない。
白井先生に荷物を渡して、静かに席につく。
「おかえり。今47ページだよ」と、友香ちゃんが小声で教えてくれた。
向かいには葛西くんが座ってる。
葛西くんの言う俺たちって、たぶん、
葛西くん自身と、瑞季くんのことだ。
自由って言葉に引っかかった。
2人の家柄はとても裕福だけど、そのぶん色々な圧力とかに悩まされているのかもしれない。
私には……全然わからない世界だ。



