よくわからない?
なんで? どこが……?
そんな感情を込めて見つめると、珍しく目をそらされた。
「なんて言ったらいいかわかんないんだけどね?んー、一言で言えば、扱いにくい」
「……扱いにくい、ですか」
「うん。でもね、褒め言葉」
「……」
沈黙が流れる。
始業のチャイムが鳴った。
「始まったね授業。やばいかな、急げる?あさひちゃん」
「うん」
化学室までは、数メートル先の廊下を曲がって、あとは突き当りまで真っ直ぐ進むだけ。
急ぐって言っても走り出す様子はなくて、ちょっとだけ早足になっただけ。
もしかすると私に合わせてくれてるのかもそれない。
「よっ」と声を上げて、葛西くんが荷物を両手で支えなおして体勢を整える。



